性的盗撮は、主に女性がターゲットにされます。そのため、多くの女性が出入りして、着替える、衣服を脱ぐ、用を足す等の行為が行われる施設は盗撮被害に遭う危険性が非常に高いと言えます。一般の方にも盗撮の危険性は広く浸透してきており、多くの女性が盗撮に対して不安を感じています。
性的盗撮の被害に遭う危険性が高い場所としては、次の施設が挙げられます。
この他にも、コンビニや学校・病院などのトイレ、水着売場・下着売場の試着室など、多数の被害実態があります。性的な盗撮を行うのは、個人的な性的欲求を満たそうとする者だけではありません。金銭を目的として職業的に盗撮を行う者もいるため、特に若い女性が多く利用する施設が標的にされる傾向にあります。
そのため、上記施設以外でも、若い女性が利用する施設のトイレ、更衣室、脱衣場、試着室における盗撮が表面化しないまま蔓延していると考えられます。
性的盗撮以外にも金品を狙った盗撮があります。狙われるのは「暗証番号」です。
暗証番号入力式の貴重品ボックスやドアキーの他、パソコンのパスワードもその対象となります。また、銀行ATMの盗撮事件を記憶されている方も多いでしょう。
いずれの場合も、非常に小さなカメラをタッチパネルやキーボードの上部またはその近辺に設置して暗証番号を入力する様子を盗撮するという方法が用いられています。盗撮カメラも盗聴器と同様に小型化・高性能化しており、キャッシュカードを3、4枚重ねた程度の厚みしかないものまであります。その上、死角を狙って設置されるため、よほど意識をしない限り盗撮カメラに気づくことはないでしょう。
性的盗撮への対策は、法人・企業には関係ないと思われがちです。確かに、性的盗撮においては、女性の着替える姿や用を足す姿が主な対象となるため、直接企業経営に損害を与えることはないかもしれません。
しかし、自社施設内における盗撮を見過ごすことは、お客様あるいは女性従業員等の関係者をないがしろにすることであり、風評被害などによって知らない間にじわじわと経営に影響を及ぼさないとも限りません。また、お客様から利益を得ている企業がそのお客様に安心・安全な環境を提供することは大きな義務と言えます。
さらに、金品等を狙い「暗証番号」という情報を盗み撮る盗撮も増加しています。まだ記憶に新しいATM盗撮では、被害発覚後の対応に莫大なコストをかけざるを得ませんでした。これは、セキュリティ意識の欠如とともに盗撮被害を軽視していた代償と言えるでしょう。
盗撮による直接的な損害、間接的な損害を問わず、一度失ったものを取り戻すことは容易ではありません。そのため、被害に遭う前の未然防止対策が必要なのです。